診療案内

女性特有の悩みや妊娠、出産、更年期や婦人病など一人で悩まないでまずは医師にご相談ください。

産科
妊婦検診

まれにではありますが、妊娠の中には子宮外妊娠(子宮腔以外の部分への受精卵の着床)も含まれるため、一般に市販されている妊娠検査薬だけでなく、早い段階でクリニックを受診して、きちんと子宮の中に着床しているか確認する必要があります。
また妊娠のなかで約10数%は流産という残念な結果に終わります。
妊娠週数に相当した超音波所見を確認することも重要です。
※妊娠検査は基本的に自費診療となります。

赤ちゃんの超音波映像のDVD動画録画

当院では妊婦検診中の胎児超音波映像をDVDーRディスクに録画してお渡しております。
(ディスクは当院でご用意しておりますが、ケースは各自ご用意ください)

胎児を画像として確認できる7週前後からの撮影となります。

記録したDVDーR動画はパソコンソフトとの相性などにより上手く再生できないこともありますのでご了承ください。

分娩予定日

分娩予定日は最終月経、基礎体温表、超音波所見などから総合的に判定し、満9週頃までに決定します。
予定日が決まりましたら住民票のある区役所の福祉保健センターいう部署で母子健康手帳の交付を受けていただきます。
運転免許証などの身分証明書を持参すれば特別な書類なく交付が受けられます。

母子健康手帳はママとお子様の大切な健康記録として小学校まで使用しますので大切に保管してください。

妊婦定期検診

妊娠10週〜12週で初期検査を行います。
補助券も使用して25000円ほどの費用がかかります。

血液型 貧血検査 肝臓腎臓機能検査 B型・C型肝炎検査 梅毒・HIV・HTLV1検査
風疹・トキソプラズマ検査 血糖値検査(空腹時に計測)

定期妊婦検診は妊娠12週前後から開始します。

[ 来院時の持ち物 ]
母子健康手帳、別冊補助券、診察券、保険証、DVDディスクケース
[ 検診内容 } 尿検査 血圧測定 体重計測 腹囲・子宮低長計測 超音波検査

妊娠27週〜29週で中期検査を行います。
主に貧血や早産兆候の有無、胎児心臓形態や脊椎異常の検査などが含まれています。
およそ10000円ほどの費用がかかります。

貧血検査 クラミジア・不規則抗体検査 子宮頸管長計測 膣分泌物培養検査
超音波による羊水量検査

妊娠32週から33週で分娩予定施設に転院していただくよう手配しますが、
逆子や早産傾向を認める場合には早めの転院をお勧めすることもあります。

妊娠健康診断検査用補助券

母子手帳別冊の「妊婦検診補助券」を使うことで検診費用の補助が受けられます。

各自治体によりいくつかのバリエーションがありますのでご相談ください。

胎児染色体異常のスクリーニングテスト

ダウン症などの先天性染色体異常の危険性を調べるスクリーニングテストは妊娠15週で
血液検査(トリプルマーカー検査)を行います。
ご希望があればまず充分な説明と相談が必要ですので早めにご連絡ください。

ワーキングマザー

つわりやめまいなどが強い場合や、通勤ラッシュや立ち仕事が苦痛の場合は
「母性健康管理指導事項連絡カード」を当院で作成することで通勤時刻変更や休憩に関する配慮を受けることが出来ます。

また就業が困難であると判断する場合は「診断書」を発行してしばらく休職をお勧めする場合もあります。

お急ぎの場合は前もってお電話でご連絡いただければ書類は来院時に発行いたします。

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「つわり」を乗り切れ!

妊娠して間もなく訪れる、最初のビッグウェーブが「つわり」であります。身体が吹き飛ぶような「激しい」ものから、さざ波程度の「軽い」ものまで本当に千差万別です。

妊娠初期に食物から害悪のある物質が母体に入らぬよう、
あえて「食べられない」状況を神様がお創りになられた「アンタッチャブル」な時期なのであります。いくら「吐き気を抑える薬物」を使おうが、ほとんど効果はありません。

人間の創造以来、変わることなく続く「母となる第一関門」のようなものです。「つわり」と戦うのではなく、うまく付き合うがことが肝要なのです。すこしでも身体への負担を少なくするには、まず「吐く回数を減らす」こと。胃が膨らめば、ウゲッと吐きやすくなりますので、糖分の入ったスポーツドリンクなどを少量ずつ、何度も口にすることです。

また血糖値が下がるごとに吐き気が増しますので、キャンディやキャラメルなど砂糖が入ったものなどをこまめに少しづつ舐めることもオススメです。水分と糖分を少量頻回摂取」と覚えておきましょう。

美しい海で世界的に有名な小笠原諸島を訪れるにはその誰もが必ず「24時間を超える船旅」と「船酔い」を乗り越えなければなりません。日々「NO PAIN  NO GAIN」とつぶやきながら、果てしなく広がる青く美しい小笠原の海を思い描きましょう。

意外に大事な「助産師さんの腕前」

人手不足の代名詞、日本の「産科医」はまあともかく忙しい存在ですので現実の出産時にずっと妊婦さんに付き添うなんてことはほとんど無くなりました。

そこで妊婦さんのお世話をするのが「助産師さん」。妊婦さんに付き添って、様々なアドバイスや介助をしてお産の進行を安全にコントロールしてくれる大切な存在です。しかし同じ助産師免許をもっているとはいえ、その技術・経験レベルはほんとうにピンキリです。

ある産院での「トンデモ助産師」は、赤ちゃんの頭が出てくると軽いパニックに陥り、何を考えるのか毎回思いっきり頭をつかんで引っ張りだしてしまうのです。「大根引き抜いてるワケじゃないんだから!」何回怒ったことでしょう。安全な赤ちゃんの取り上げは、児と女性の負担をなるべく少なく、ゆっくり正しい方向に誘導しなければなりません。

本当に腕のいい助産師ならば、おどろくほど丁寧に、じっくりと時間をかけて「いきみ」と「頭の向き」や「分娩進行速度」をコントロールを行うことで、その多くは「会陰切開なしで」キレイに赤ちゃんを取り出します。

その熟練のワザは、本当に見事なものです。思わず「ブラボー!」と心で叫びます。

「分娩場所選び」にあたって、病院の大きさや周産期施設の有無などにすごくこだわる妊婦さんは多いのですが、私は「助産師さんのスキル」がもっと重視されてもいいと思っています。

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妊娠中は「TJ主義」でいこう

妊娠中の「お手本」として私がお勧めしたいのは、あの「元祖テキトー男」
「高田純次師匠」(略してTJ師匠)であります。底抜けに明るく、楽しくテキトーに生きる姿勢こそが「妊婦さん」にぴったりです。TJ師匠の数ある名言の中で私が大好きなのは「パリに行くなら寒いときがイイね。行ったことないけど」

その1「何を言われても気にしない」

赤ちゃんができると、まぁそれはそれは周囲からいろんなことを言われます。無責任に、思いつきで発言しているだけですからまったく気にすることはありません。満面の笑顔で「完全スルー」しちゃいましょう。何言われようが笑って「肯定」しちゃうのがコツなんです。TJ師匠のように「ああ、そうかもしれないわねぇ・・・よくわかんないけど」ってね。

その2「なんでもテキトーですませちゃおう」

妊娠したら仕事も家事も「70点満点」で考えましょう。体調や気分が日々変動するのが妊婦さんの特徴ですから、なんでもテキトーでOK。何事も普段の50%でよしとして、70%であればもう完璧です。食事の支度が面倒くさければ、日本が誇る「オリジン弁当」「HOTTOMOTTO」です。旦那には「唐揚げ弁当ご飯大盛り」を買っておけばまず間違いありません。

その3「オシャレとおしゃべりを楽しみましょう」

敬愛するTJ師匠はいつもダンディーで、会話にも笑いが溢れています。天気のいい日などには、積極的に街に出かけてお気に入りのデパートやブランドショップで思いっきり買い物したり座り心地のいいイスがあるカフェで気の合うお友達と楽しくおしゃべりすることがイチバンのストレス解消になります。間違っても旦那に多くを求めてはいけません。オトコってのはストレスがあると「黙り込む」タイプの生き物ですから。

その4「よけいな心配はしない」

妊娠中ってのはある意味「不安との戦い」でもあります。しかしいくら心配したところで何の得があるというのでしょうか。心配」が不安や問題を解決した前例はいまだかつてありません。

「用心はするけど心配なんていっさいしない」と覚えましょう。そんなことよりもっと楽しいことを考えてTJ師匠みたいにいつもニコニコ。「まあ何とかなるんじゃない? よくわかんないけど」って姿勢が理想ですね。

妊娠中の腰痛ってどうすればいいの?

妊娠中の腰痛は程度の差こそあれかなりの頻度でおこります。大きくなった子宮を支えるために腰の筋肉や骨盤の関節に負担がかかって痛みにつながることが多いようです。普段から運動を欠かさず、腰の筋肉や骨盤内のインナーマッスルを鍛えておくことも大切ですが、痛くなったら無理は禁物。安静が第一となります。

ぎっくり腰のような急性の痛みには冷やすタイプの湿布が必要ですが、慢性的な痛みには暖めたタオルや湯たんぽでの加温や、ややぬるめのお風呂にゆっくり入浴することで血行を良くすることがポイントです。

マッサージや針治療はおすすめしません。また骨盤のゆがみから生じた痛みには「骨盤ベルト」が良く効きます。ネット通販などで購入できますので、トライしてみましょう。

しかし腰痛の問題点は、それが「運動不足」につながることです。そんなときにお勧めなのが「プールエクササイズ」。浮力を利用して、腰や骨盤に負担をかけず全身運動ができます。多くのスポーツジムで「マタニティスイミングコース」などがありますので利用してみてはいかがでしょうか?

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いまだに残る「妊娠都市伝説」

「妊娠したら重いもの持っちゃいけないんでしょ?」

かれこれ25年、四半世紀に渡って産婦人科医を生業としてきましたがいまだかつて「重いものを持ち上げて」流産した女性にであったことはありません。そもそも現代の女性で、日常的に重いものを持ち上げるのは「重量挙げの三宅選手」くらいではないでしょうか。流産はその多くが「受精卵の異常」に基づくもので、基本的に女性の行動とは大きな因果関係はないといっていいでしょう。

「妊娠したら虫歯の治療や麻酔、レントゲン写真はだめなんでしょ?」

いくら妊娠中であっても、歯が痛くなることだってあります。通常の歯科治療がお腹の赤ちゃんに影響することは全くありません。レントゲンや麻酔、鎮痛剤や抗生物質なども妊娠に配慮した方法で行えば 全く安全といっていいでしょう。それより治療が遅れて炎症や感染が重症化してしまうことのほうが遥かに心配です。できれば妊娠前に歯科検診を受けて、問題点があれば治療をしておけば「満点」です。

「妊娠中に飛行機に乗るのはだめなんでしょ?」

私は子供の頃から飛行機が大好きで、「羽田」「成田」と聞くだけで鼻血が出そうなくらいテンションがあがります。だからってワケではありませんが、別に妊娠中に飛行機に乗ろうが、操縦しようがまったく問題ないと思っています。ただ心配なのが「機内の乾燥」。多数の乗客で混雑したキャビンはインフルエンザなどのウィルスに感染しやすい場所として有名なのです。

長時間のフライトはリスクも高いので、ご旅行の時期には慎重な配慮が必要ですが私がお教えするような「感染対策」「血栓予防」でなんとか大丈夫でしょう。しかし9ヶ月目からのフライトであれば、私が「お抱え産科医」として付き添って、いざという時は機内でお産の介助をさせていただくことは可能です。
そんなときは私の座席は、ぜひ「ビジネスクラスの窓際」「機内食はチキン」を条件にチケットを手配してくださいね。

「無痛分娩しようかな?」
「陣痛がつらそうで怖いんだけど」

「お産は痛いよお!鼻の穴からスイカをひねり出すくらい痛いんだから」などと、夏の稲川淳二みたいな怖い顔をして妊婦さんを脅かすバカがいます。「どんな鼻の穴しとんねんっ!?」ってツッコミを忘れてはいけませんがただひとついえることは、陣痛なんかにおびえる必要など全くないってことです。

最近のランニングブームでも判るように、つらい苦しみを乗り越えたことで得られる達成感というのは、苦しければ苦しいほどにそれはもうこの上ない「快感」でもあることは間違いありません。

過酷な陣痛を乗り越えるために「脳内麻薬」ベータエンドルフィンがドクドクっと出まくりで、出産直後に最高のエクスタシーを迎えるわけです。通常では体験できない「至高の快感」を味わえるだけでなく、輝くように愛らしい「我が子」を胸に抱くことまでできるのですからその溢れるような「幸福感」といえばもう女性の生涯でも最高のモノといっていいでしょう。

死ぬまで馬車馬のように働くだけの男性とは異なり、神様はつらい「陣痛」に勝るとも劣らない「天にも昇る多幸感」を得る機会を女性にのみ与えのだと考えます。全く神様って「フェア」な仕組みを創造してくれたモノだなあと感心します。

そんな、女性にのみ神から許された「出産ハイ」とも言い表せる経験を味わわないってのはなんだかもったいないように思います。

妊娠経過が順調で、基本的に健康な女性はぜひ自然分娩にチャレンジしていただきたいと心から思います。チャレンジする意義は充分すぎるほどありますから。

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妊娠中にカゼをひいたら?

「カゼをひいたのでお薬をください」

これまで何回、その言葉を聞いたことでしょう。そもそも「カゼ」の原因を知る人があまりに少ないことに驚きます。「カゼ」の原因はその多くが「ウィルスの感染」です。
そして現在でもこの世に「カゼのウィルスをやっつける薬」というのは存在しません。世間で「風邪薬」と称しているモノはあくまで「症状を和らげる成分」を高い値段で売っているだけです。

説明書をじっくり読んでみてください。「カゼに効く」とはいうものの、「カゼが治る」なんて一言も書いてありません。

カゼを治すのは唯一、「自分の白血球」だけなのです。
「白血球」は自分の体を様々な外敵から守る「自衛隊」みたいなもの。「白血球」がウィルスとしっかり戦える条件を整えてあげることだけがただ一つの解決策なのです。

それには、まず「安静」。
体が活動していたら、大事な「白血球の仕事」は他にも増えるばかり。ウィルスに立ち向かう「戦力」をそこに集中させるためです。そして「水分と栄養」の補給。
「戦い」には水とエネルギーが必要です。忘れてはならないのが「精神的ストレスの緩和」。不安やイライラは「白血球の働き」を弱めてしまうことが証明されています。たとえば、子供がカゼをひいたら病院に連れて行くよりまず「添い寝」をしてやさしく「手を当てて」あげるのが一番よく効くことでもわかります。

不安と恐怖を緩和してあげれば、「白血球」はより活発に働くからです。「熱」が出ても心配ありません。 それは激しい「戦い」の証拠でもあります。その熱でウィルスも弱ってきますからあえて下げる必要はありません。熱で失われやすい水分さえしっかり補給すれば大丈夫です。
しかし、激しい咳や嘔吐で「眠れない」や「食べられない」状態では体力も低下して「ウィルスとの戦い」を続けることは困難です。 そんな時は「鎮咳薬」や「点滴」などで治療する必要があります。

ここで初めて、妊娠中でも安全に服用できる薬品の使用を考慮すればいいのです。
そんな事態に陥る前にまずしっかりと「手洗い」「うがい」「マスク」「水分摂取」「のどの保温」などで予防をすることはもちろんですが、「換気の悪い場所」や「人ごみ」にはあまり近寄らないほうがよいでしょう。
そしてもし「のどの違和感」や「寒気」などを感じたらすぐ充分な水分と栄養を取ってしっかり静養すること。

侵入したウィルスが少ないうちならそれだけで治ってしまいます。ウィルス撃退にはなんの効果もない市販の「カゼ薬」など全く必要ありません。

「薬があると安心」する気持ちはなんとなくわかりますが「カゼが治った」のは薬とはほとんど関係なく「自分の白血球がウィルスをやっつけた」ってことなのです。

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